GI産品に刮目!

お馴染みのシャンパン(シャンパーニュ)はフランスのA.O.C.(Appellation d’Origine Contrôlée アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)で定められた土地で、定められた製法でなければシャンパンを名乗ることは出来ない。また世界三大ブルーチーズのゴルゴンゾーラはイタリアのD.O.P.(Denominazione di Origine Protetta デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・プロテッタ)で保護されており、シャンパンもゴルゴンゾーラも、寸分違わぬ完コピ商品ができたとしても、他の土地では国内外を問わず名乗ることは許されない。

フランスのA.O.C.、イタリアのD.O.P.とは、農林水産物品、食料品の原産地認証のことだ。噛み砕いていえば「地域ブランド」保証のようなもの。それを法令により知的財産権として保護する事業がフランスのA.O.C.、イタリアのD.O.P.だ。ともにグローバルで我々の舌に馴染み深い。これらは国際的に「地理的表示保護制度」として広く認知され、世界100か国を超える国で保護されているものです。

地理的表示(GI)保護制度

遅れ馳せながらこれと同じ制度が日本にも2014年に制定された。第186回通常国会において「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」が成立し、翌年6月から施行され、「地理的表示(GI)保護制度」通称 ”GI制度”が運用されている。(GIはGeographical Indications  地理的表示 の頭文字)

2015年の但馬牛(兵庫県内)、神戸ビーフ (兵庫県内)、夕張メロン (北海道夕張市)などの保護認定を皮切りに、2018年8月現在66産品が登録され、地理的表示及び「GIマーク」を付することが許されています。

参照

スイーツでお馴染みの「西尾の抹茶」も保護認定されていたりと、現在66品というGI産品がとても気になるところです。詳しくは農林水産省のウェブサイトで確認できますが、目だけでなく舌でも確認したい!!

というわけで、前置き長くなりましたが「地理的表示保護制度活用総合推進事業」GI産品試食会にお招きいただき、GI産品をいくつか堪能してきました。

GI産品試食会の献立

会場は武蔵小山の 「蕎麦割烹 倉田」。十割の蕎麦粉に八厘の国産地粉を入れ 10対0.08の割合で十割蕎麦を超えるおいしさという「外八厘」で名を馳せる若き日本料理人の店。

GI産品をいくつか取り入れた、この日だけの特別メニュー

【先付け】は「 十勝川西長いも 」をメレンゲと寒天で長芋羹に。「琉球もろみ酢の吸酢でさっぱりと。叩きオクラと むらさき雲丹で。猛暑復活のこの日、実に滋養な一品で、初っ端から感動!

とろける食感の「みやぎサーモン」は酢〆と漬け炙りの握り寿司で

大和しじみはしじみの塩分のみの潮汁。鮮やかな新取菜にすり身を伸ばす仕事ぶりもさすが。

田子の浦しらすのお造りのほんのりとした苦みに、「大分かぼす酢のGI産品ハーモニーがすがすがしい。

吉川ナスはお出汁が染み沁み含め煮に。「岩手野田村荒海ホタテは昆布〆で。緑は「くろさき茶豆。お替わりしたかった(笑)。

鴨ロース焼きは「八丁味噌のソースで。

箸休めは、「市田柿に胡桃和えの射込み。

そして、外八厘は「連島ごぼうのきんぴらでぶっかけ風に!!

デザートには「入善ジャンボ西瓜」100%シャーベットに「琉球もろみ酢のゼリーで!!

琉球もろみ酢」に始まり「琉球もろみ酢」に終わる、実に滋味深い献立でした。料理はそれぞれ趣向を凝らされ、どうやらGI産品が名料理人を触発したようです!。

この機会にGI産品に刮目していきたいと素直に思わせてくれる素晴らしいGI産品試食会でした。関係者のみなさま、ありがとうござました。

後序

かねてからGI産品について気になっていたことが二つある。献立に使われていた市田柿をメイン商材とする「かぶちゃん農園」(長野県飯田市)などグループから農水産加工品を仕入れ、ケフィア事業振興会が顧客向けに行っていたオーナー制度などをめぐり、7月10日、「ケフィアグループ被害対策弁護団」が結成された問題。昨年11月頃から、返金などをめぐり顧客とのトラブルが表面化し、6月頃から弁護団のもとにはすでに300件近くの被害相談が寄せられていたという。今後、被害回復を目的に、ケフィア事業振興会を含むグループ各社に対する被害回復の請求や訴訟を視野に入れている。この問題は弁護団側は刑事事件としての告訴も視野に入れていると言われ、今後の成り行きが非常に気になるところです。

そしてもう一つはも献立にもあった「八丁味噌」を製造する老舗2社がつくる「八丁味噌協同組合」が、「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」に対して決定したGI保護対象を取り消すよう農水省に求めている不服審査請求問題である。

実は、この問題でGI制度を知ったという経緯があったので、複雑な思いで試食をしていた。ことの経緯はコチラで詳しく知ることができるが、要するに、このままでは、歴史と伝統のある「八丁味噌」の元祖的な老舗が「八丁味噌」で商売ができなくなってしまう…という本末転倒問題である。こういった問題を起こさないためのGI制度なだけに、本質を見極めきっちり解決してほしいと願うだけでなく、今後このような問題が起こらないようなシステムをしっかりと構築してほしいものです。

あっ!それと農林水産省の補助事業のして「本場の本物」(地域食品ブランド表示基準制度)というのがあったけれど、これはまだ稼働しているのだろうか? その場合の存在意義はどうなるのだろうか?